アップリンクさんにご紹介頂いた試写2連弾
「Tom at the farm」に続きこちら。
「ホドロフスキーのDUNE」
ユミちゃんがホドロフスキーの事を好きで好きで、
Sister始まってすぐあたりにユミちゃんから教えてもらって知ったホドロフスキーですが、難解な芸術だと思っているので、
実はまだちゃんと見た事ないんです...
部分部分を観て、度肝を抜いたくらいです。
そんな所へ、
アップリンクさんから、ホドロフスキーのドキュメンタリーが日本公開決まったと仰るではありませんか。
作品とは別に、知る事の出来るチャンスがあるなんて
ホドロフスキーの今生にはないって勝手に思っていましたから、これは大チャンスです。
で、沢山の遮二無二、奇想天外な作品を作っている人物ですから、
ドキュメンタリーも難解かもしれない
と思っていたら、
なんとホドロフスキー、
物凄くエネルギッシュで、素晴らしく陽気!
でもやっぱり、ヤバい人でした(キラキラ!)
陰鬱に自分の世界に没頭して籠っている人って勝手にイメージしていましたが、
ただ普通に、自分の作り出す世界が最も脅威である事を自覚して、
純真にそれを貫いている人で、
なんて無邪気なんだと、
なぜか目頭が熱くなりました。
このドキュメンタリーの内容ですが、
ホドロフスキー未完のSF超大作「DUNE」の制作過程をメインに進行しています。
ぞくっとするような絵コンテとデザイン資料たちが、
このドキュメンタリーによってさらにその貴重さを強く感じさせます。
この絵コンテを現実にしようとしたんです。
というか、
現実にしたくてこの絵コンテが出来たんですよね。
これだけでも物凄いです。
ドキュメンタリーでは、この絵コンテを素晴らしい構成でアニメーションにしていますが、それがすっっっごく恰好良いです。
ホドロフスキーの莫大なセンスと才能と意欲と根気をすこぶる抽出して、
すべてを完璧に具体化した制作過程は、
それだけでも鳥肌が立つ程の感動です。
完成を観ていない作品に対してこんなに鳥肌って立てるものかと、
それに驚きましたが、
そこに驚いた事で、
この「DUNE」という作品の未知の規模の大きさを垣間見て絶句します。
さらに、キャストをホドロフスキー自ら探し出す過程も紹介されますが、
ひとりひとりとの出会いから出演交渉までの話もまた凄くいい!(ドキュメンタリーのこういう所が大好き)
ミックジャガーとの出会いと出演交渉の話なんて、
すごくあっという間な話なんですけれど、すっごく恰好良くて、
なんだかとってもセクシーな描写なんです。
そして私が観にいった試写の日は、
このドキュメンタリーの監督フランク・パヴィッチが来日して試写後にトークショーも行われました。
ここでもまた質疑応答が超面白かったんですけれど、
そこですごく好きな、監督のお応えがありました。
「もしDUNEが作られて成功していたら、
もちろん世界を変えていただろうし、
大コケしても世界を変えていたと思う。
もし大コケしていたら、
その時に制作されていた『スター・ウォーズ』の撮影は打ち切られ、
その後ハリウッドはSF作品に目を背け、ジャンル自体存在しなかったと思う。」
DUNEが完成されなかった事によって、
SF作品というものは、もうひとつの選択肢へ向かったというお話です。
「スターウォーズでさ、チューバッカがいじけてる間のあれさ」
「エイリアンでさ、シガニーウィーパーが突然目つき変わったあのあたりのさ」
例えばこういう会話、
もしこの「DUNE」が完成されていたら、
それぞれまた別の事になっていたかもしれませんね。
(チューバッカとかシガニーウィーパーが大きく変わる訳ではなくって)
フランク・パヴィッチ監督と。
こちらのドキュメンタリーも来年公開で待ち遠しいですが、
なんと、ホドロフスキーの新作
「リアリティのダンス」も来年公開されるそうです...!やばいー!
「リアリティのダンス」を熱く語るホドロフスキー。 え?
「“観客の前では心も体も裸になるんだ!」
え?
もちろん、ビデオは削除されてました。
熱いです、ホドロフスキー!